デッキの呼称と性質理解
最近、紙カード界隈ではファローシャッフル(横入れシャッフル)の是非が問題となっているらしい。その話自体は競技として考える人々と競技性を軽視し「マナー」を重要視する人々の価値観の相違ということで、時々何かしらでこういった話題が出てくるから大した興味はない。自分自身は競技絶対視の人間なのでどうカットしようが勝手だと思ってるし宣言せずに行動したら巻き戻し発生するし効果処理忘れて進めたら戻れなくてもいいと思ってるけど。そもそも競技という意味で考えたらよくシャッフルしたほうがマナーは良い。
というのはどうでもよくて、ファローシャッフルに「オタクシャッフル」という呼称が付いたことが非常に面白かった。オタクという言葉の起源はオタク自身の蔑称なのだが今日それは非オタク世界まで広まり切ったことでその語に非オタク界からオタク界を見た時の拒絶の感情が入り込むことになった。最近では「オタク」=「キモオタ」という意識や使用もあって驚きを隠せない(全然違うものじゃないか?!)。
こうしたことは語源から語義が変化し異なった認識が広がったことによるものだが、この呼称は本質理解を歪めることになると思っている、という話を今回はする。
(例によって勢いで書いているので尻切れトンボになるかもしれない)
デッキの名付け方
デッキを名付けるには、レンジごと、テーマごと、システムごとなどの方法がある。1つ目はアグロ・ミッドレンジ・コントロールの3タイプに大別するやり方であり、そのデッキがどのレンジで戦うのかを提示する。また今回の場合テンポデッキやコンシードデッキもこれらと似た概念として考える。2つ目はカード名や種類に統一された語を組み合わせるやり方で、「人形」「侮蔑」など。一つのテーマとして意図して作られたシナジーがあり、そのシナジーをもとに戦うものである。3つ目はデッキのシステムの中心にあるカード名をデッキ名につけるやり方である(正確に言うとシステムの使い方が間違っているかもしれないが目をつむってほしい)。「ギガキマ」「原初」「アーカス」など。コンボデッキは今回ここに入れることにする。特定のカードを中心に据え、それと相性の良いカード群で戦うものとなる。
また2,3番目はレンジごとの命名法と適宜足し合わせることが可能である。これによりある一貫性を持ったデッキの中で特にどのレンジで戦うかを提示できる。
(他にもグッドスタッフなどまだ呼称は存在すると思うが本題には関わらないので放置する。)
名付ける意味と構築過程
名付ける意味は、端的に言えば分かりやすくするためだ。名付けることによってそれがどういうデッキタイプであるかを提示・把握する。(ここで言う「提示」は知らしめるという意味ではなく他と区別するみたいなニュアンス。)個人レベルでは命名は本質に影響しないので不要な行為とも言えるが集団レベルでは実用性の面からも意味があり、デッキの内容に見合った名が付けられるのが普通である。
無意識で行っている人もいるだろうが命名と構築過程にも関連はある。まずは前述の大別された3つの方法によって命名されたデッキタイプを作ろうとするパターンで、命名→構築の順となる。今期でいえば新カード実装前に「ミッドレンジネクロが生まれるか否か」という話題があったがそれがこの例にあたる。あとはデッキを作ってから命名するパターンで、逆の順となる。これはおそらく様々なケースが存在するだろうが、特定のカードを活かしたいと思った場合や何かしらのメタとしてデッキを作った場合が考えられる。仮に現在のローテにおけるネクロがヴァンパイアのメタデッキとした過程で生まれたのであればそれがこの例にあたる。
過去の例(翠嵐エルフのデッキタイプは何か)
前環境で「翠嵐エルフ」が界隈全体に認知されるようになった後、Twitter上で、翠嵐エルフはアグロか否かという話が持ち上がったのを覚えている。結論から言うと少しでも回せばアグロではないことが分かるはずなので、最初に「アグロ」発言をした者が間違っていたわけだが、ではなぜアグロだと主張したのか。可能性としては2つ、回していない状態でデッキリストのみで判断した、あるいはそのデッキをアグロとして回していたことが考えられる。前者の場合、DBN期とさほどリストが変わらないため同じ呼称を使用したのだろうが、後者の場合致命的なミスを犯していることになる。なぜなら回していながらそれをアグロだと誤解していることは各対面への戦い方を間違えていることを直接意味するからだ。それは勝率を引き下げ、評価を落とし、世間的な評価との乖離を生み出す。
また、話題に対してあった「名前などさほど問題ではない」という主張も個人的には危ないと思っている。理解へのステップの一つとして命名は重要である。アグロか否かどうでもいいと思っている層の中にはそのデッキの性質を理解している人もいるだろうがもしかしたら結果的にアグロ的に回してしまっている(もちろんアグロ的な動きはできるがここでは毎回そのような動きをしているということを指す)人もいるかもしれない。よって、アグロではないという主張が3種類の主張の中で最も正しく、そう主張する人が最も信用できると言える。
本当は「翠嵐エルフ」というのも、前述の命名法に当てはめれば翠嵐に依存しているわけでもないので正確な呼称とは言えず、誤解を招くものであって個人的には嫌いな呼称だった。
(ちなみに自分は前期のエルフをテンポデッキだとして逃げていた。あとDBN期の原初もテンポデッキだとしていた。テンポって言い方便利だね。)
呼称と性質理解
ということでエルフの例でほとんど言いたいことは話したが、呼称というのはデッキの性質を表す一つの要素であり、間違った呼称は間違った理解を生むことになる。今回RAGE前にレートはやっていなかったのでネクロが強いと知ったのはRAGEの配信で見てからだったが、リストを見た後にまず行ったのは、これがどういうデッキか、ということだ。何をもって勝ち上がったのか、どこに強さがあるのか、どう回すのかを確認する作業だった。それによって自分の中で名前が付けることが可能になる。(ミッドレンジで大丈夫だろうが、環境が違えばギルネリーゼでバフして殴り切るアグロデッキだったかもしれない、そういう可能性の話。)
なので、呼称に対してもう少し慎重であってもいいと思う。名前のないデッキに名前をつける時もそうだが、同じ構築であっても環境の中で立ち位置が変われば戦い方が変化することが考えられるので、安易に名前を持ち越したりすることも避けたい。常に、これはどういうデッキか、ということを考え、自分の考える呼称に則したプレイをし、プレイに合わせて呼称を変えるスタンスであってほしい。
今回は書くことなくて短くなった。
ではまた。
おまけは本当におまけなので暇な人だけでいいです。
おまけ(シャドバと無関係の話)
呼称に関連してだが、平成のアイドル乱立時代、以前テレビの歌番組でAKBの歌を左耳から右耳に通過させていた時にふと思ったことがある。「一人称僕の歌詞多くないか?」……一方昭和アイドルは一人称らしいもの、私などを用いているのが一般的だった。そこから一つの仮説を立てた。
「人々が『共感』を強く求めるようになり性差に関係なく歌詞を享受できるよう男女ともに使用されてもおかしくない一人称に変化したのではないか」
そして、さらにそれを発展させて、
「アイドル楽曲における一人称と恋愛描写の変化から見る戦後のジェンダー論の変化」
というような趣旨の論文書けそうだなーとか考えてたが、あいにく自分のゼミは経済系だし使うところはなさそうなのでここに置いておきます。大学生で見た人いたらあげます。
(すでに有名な論文があるようだったらごめんなさい、そこまでは調べてないです)
ちなみに共感性を広く保つために、はっきりとした恋愛感情を異性に向けて歌う曲が絶滅してるんじゃないかと思っていて、そこらへんも興味がある。最近欅坂の曲聴いたりしてるんだけど、「手を繋いで帰ろうか」「僕たちは付き合っている」あたりは割とストレートに恋愛を歌っていて新鮮な感じがした(それでもどちらも一人称は僕になっている)。過去アイドルのファンだったこともないし他の最近のアイドル曲も知らないのではっきりとしたことは言えないが。
呼称の話から脱線しすぎだけど思い出してしまったので許してください。終わります。
RAGEに対する取り組み方について
(画像は10/1 21時頃のもの ちなみに9/25のアクセス数は2)
ということで偶然にも大量の読者を獲得してしまったわけだが、記事自体の内容がアレだったこともあり最初はこれが称賛なのか批判なのか判断できず緊張が解けなかった。時間が経つにつれとりあえず悪い意味の拡散ではなさそうだということが分かったので安心したが、そうなると今後についての不安が浮かんできた。つまり、これからの記事も自分が把握しきれないほど多くの人の目に触れる可能性がある、ということだ。それはかなりのプレッシャーで、今回のような内容的な良さが続かなければ一発屋にもなるしバブルが一瞬ではじける。そもそも今までの記事は大したプロットも推敲もなくババッと書いて思い直すところあったら編集しなおそ!wみたいな感じだったのだが批評の母数が変わればそのやり方等についても考え直さなければいけない気がした。またゲームの内容を扱っている以上自分がある程度の水準を満たすプレイヤーである必要もあり、これまで以上に頑張らねばと感じた。
と色々思ったが、結果から言えば、今までのスタンスはあまり変えなくても良かろうということになった。多少ごちゃごちゃと考えたものの、気ままにやるのが一番自分に合っているので。ということで時折怪しい内容もあったりすると思うが、優しく見守ってほしい。それと今回拡散してくれた人たちには非常に感謝していますし、特に界隈の有名人に宣伝(?)されたことは自分がその人のファンだったこともあり嬉しかったです。(公平性と抽象性を保つため今後も以前と同様自分以外の個人名は出さないようにしているので、悪しからず。)面白かったというツイートもたくさん確認しました。今後の励みになります。
(本題はここから。本当の本題はRAGEについての話。)
今後について
一応今後もブログ書いていくという話はしたが、そもそもなんでRAGE直前のこの時期にシコシコ書いているのかというと、中の人の都合上今回のRAGEに参加できないからである。またその都合とは関係ない別の事情により今後半年かそれ以上競技としてシャドバをプレイすることはできなくなる。時間がないということでブログ自体の更新もどうなるか今のところは未確定だし、仮にできてもゲーム内容については今までよりもエアプ感が増すことは間違いない。
以前の記事についての補足
シャドバプロについての記事がTwitterで拡散され大きな反響を呼んだわけだが、前述の通り全く推敲していないし論理も完全ではない。特に例示についてはかなりずさんだと思っていて、野球における実力介入度合いなど知らないし2Tと8Tの例も真に適切とは言えない。(分かりやすさを重視した結果ある程度当てはまりそうなものを例にした。)そもそも上手さや下手さに定義づけがされていない以上書き手と読み手の解釈に乖離があるのは免れない。それらに加えて内容が批判的であるため、自分の見えないところでは一定の反論もあっただろうし悪く思う人もいただろう。もちろんそういったことは分かっているが、文字に起こす以上最初から最後までを綺麗に書こうとするともの凄い字数になるしまた疲労が今の比ではないので全ての範囲を説明するのは現実的ではないと思っている。今後もスタンスは変えないのでこのようなことは常に問題になるが、受け手はあまり過敏にならず、適度に自分で補完するような形で受け取ってほしい。もちろんこちらもあまりに乖離した解釈はできないような書き方を心がけるつもりだが。
RAGEの取り組み方
さて、本題といえば本題。以前のRAGEBoSの記事でRAGEの取り組み方を体現したと思っているが、今回はそれを少しだけ拡張して一般的な方法論を話す。
DBN期の初RAGEで2-2のday1落ちだった後、考え方がダメだったと思い、より徹底的な思考を心がけるようにした。その結果がリンクの記事に書かれている調整方法である。無論9-3という結果は成功の一例に過ぎず、0-2という結果もあり得た話だが、それに至る方法が最も重要な部分である。
(堂々と書いているが常にそういった思考を行っているプレイヤーも少なくないはず。そうはいっても全体としてその数は少数だろうと思ったため提示するに至った。)
(ちなみに以前の記事でRAGEについて批判したがそれはプロにおけるRAGEという意味合いであり個人的にRAGEという大会は好きです。普段画面と向き合っているおたくたちが行儀よく座って正面に相手がいるのにも関わらず小さな画面を凝視し続けるの面白くないですか?僕は最初正面のメガネの人に挨拶しようか画面の中のアリサちゃんに挨拶しようか迷いました。)
1.デッキ相性
ある環境におけるアーキタイプがある程度出揃った後に確認を行う必要があるのが各タイプ間の相性(有利・不利)である。相性の具合によってはアーキタイプのうち環境から消滅するものもある。また世間的な評価と自分の評価に乖離がある場合、その原因を探る作業もここに当たる。仮に理由なく評価が食い違ってしまうと今後の環境読みや構築に支障をきたす恐れがある。しかし理由があるのならその乖離は容認される。特にRAGEは環境初期での大会であるためプレイヤーごとに評価が異なるのが普通である。また調整環境やプレイヤーのレベルによっても異なる。ただ理由を考えるのは必要で、例えば相手のケアが甘いのなら相手のレベルが上がれば不利にもなり得るし、自分の能動的な戦略が勝利に結びついているのであれば相性差は揺らぎにくい。
乖離は埋めるべきでもあるが一定の試行を重ねた後など理由がある場合には放置してよく、その乖離が利点となることもある。
前回はその試行をレート環境の変化に任せた。シャドウバースにおいて最もメタに敏感でありプレイヤーの質もRAGEより高いため、ここでのメタの変遷をそのままデッキ相性とすることができた。(加えて相性がそこまで難解でなかったこともある。)
また相性については、いわゆる「ブン回り」デッキをどう扱うが問題となる(後述)。
2.環境読み
大会において何よりも大事なのが環境、つまりデッキタイプの分布の読みである。これは主にデッキ及びデッキタイプ相性の世間的評価を基準にして行う。参考になるのはランクマッチ、JCG、レートであるが、どれを最も重視するかは裁量次第と言ったところ。加えて配信者やプロ選手の直前の使用デッキも参考の範囲である。
ちなみにこれは言ってしまえば運である。大会の環境は個人個人の環境への評価の集合であるため、全てを網羅することなどできず結果的には感覚的な作業となる。だがプロセスとしてこれをやるかやらないかでは大きな差があると思っている。
3.デッキ選択
基本は環境読みを行ったうえでその多数に有利なデッキを選択するのがセオリーとなるが、それ以外を捨てることもできないので、傾斜的な対処が必要になる。なので自分のデッキ相性評価とも照らし合わせて、合理的なデッキ選択を行うことになる。
またデッキ選択をする時に通常day1とday2を区別するべきではない。もちろんこれは勝ち切ることを前提とした話だが、「環境の純度」という観点で考えれば、ラウンドが進んでいくにつれてメタ外の不純物は減り純度は高まっていくため、自分が勝ち続けることを前提にしている以上純度の低い状況にデッキ選択を合わせるべきではなく常に環境を見据えなければいけない。(これは不純物が弱いデッキである場合。まだ発見されていない強いデッキ(DBN原初など)はその限りではない。)もちろんそうはいっても不純物に負けることもあるが、それは運の問題であって、それによって選択が間違いだったというような結論は得られない。デッキ登録期間が終わった時点で確率上最も勝ちやすい選択があり、その選択が正解となる。(例えばBoS期なら、day1はロイヤルが多そうだと思ってそれにフォーカスしたデッキを選択した時、自分がメタらずともラウンドの経過とともに淘汰されていくため自分の選択したデッキは最悪最初の数戦でしか役に立たないものになる。)
これに関連して、いわゆる地雷デッキでテロしに行く、という弱者の発想もするべきではない。勝ち切ることができない選択は意味を持たない。day1突破なんて低い目標を持ち訳のわからないデッキを握ることの無意味さよ。
4.構築
デッキ選択が終われば構築、ということになるがそれは正確に言えば正しくない。構築次第では相性が変化し、環境の見え方が変わり、デッキ選択も変わる、ということが考えられるからだ。なので実際にはこのあたりの順番は時に入れ替わり循環することになる。だが一方でデッキの型が決まっていればその構築の大体は決まっているのが普通なので、経験上は選択の後に環境読みに合わせて傾斜的な対処をするべく構築を考えるのが自然な流れになる。
5.プレイ
当日における重要な部分だが、調整においても重要になる。構築と同様、プレイも前述の全項目に影響を与える。構築もプレイに影響を与えるが、自分が何をどうプレイし全体のゲームプランをどうするかといった考えが構築とデッキ相性に影響し、それが環境読みに変化をもたらすからだ。
なので、「デッキ決まったから後は練習するだけ」というような発言は本当を言えば嘘になる。構築はプレイに伴う。
また「ファイナリストのデッキと○○枚一緒」みたいな発言も不適切で、構築は大半が同じもので構成されているため無意味な主張だという話もあるが、そもそも構築が同じでもプレイによる差別化がなされるため構築のみでは語れない。
あるいは「プレーオフに進出したメタ外デッキと同じ構築が候補だった」(一例)ことも無意味な話である。候補群の中から実際に選ばなかった人がいる一方、選択した人がいることが意味するのは認識の違いあるいはプレイの違いである。無論、メタ外を選択した人の認識が甘かったが運よく勝ってしまったということもあり得る。
6.運
当日においてなければならないものだが調整段階においては考慮するべきではない。調整は常にフラットに行い、数字に準拠する。自分は○○が引けないからこのデッキは使えない、という思考はアウト。
とはいっても運になるべく頼らないデッキ選択と構築が必要になる。仮に構築が同じならプレイが関係しても勝率は50%からそこまで大きくは動かないのが普通なので例えば自分がマジョリティーのアーキタイプを選択した場合ファイナリストにそのアーキタイプが入っている確率はそこそこ高いだろうがファイナリストの中に自分が入っている確率はかなり低くなる。
ここまで6つの要素に分解して記したが本来これらはそこまで個々に分けられるものではなく常に結びついている。そのため必ずしも書かれた順番で作業が進むことわけではないが個人的に大体このような感じで進むことが多かろうと判断し順番を定めた。
補足1「ブン回り」の判断
いわゆる「偏差」デッキというもので、他のアーキタイプと比較して上限値が非常に高いが下限値も著しく低い(=他と比較して偏差が大きい)というデッキを指し、前環境におけるギガキマWがその例として挙げられる。(こうしたデッキは稀に「何にでも勝てます!」みたいなツイートとともに流れてくることがあるが大概平均値で考えることを無視した偏差デッキ。)偏差デッキも他のデッキと同様平均値を考えることで基準を得られるわけだがこうしたデッキの性質上平均値を導き出すのが難しく、往々にして成功体験あるいは失敗体験がデッキの評価を歪ませることになりがちで、注意が必要。
RAGEはこうした偏差デッキで高いパフォーマンスを発揮し続けたプレイヤーが勝つと思っている人もいるかもしれないがそれは間違い。仮にそうしたデッキ(=偏差が大きく上限は高いが平均は他より低い)が勝ち残ったとしてもそれを選択することが正解だったとはならない。あくまで確率的に最も勝ち残りやすいものを選択するのがその大会においては正しかったという判断が下せる。
(正解or不正解という判断は常に結果論的な話である。前述の通り未来の大会の環境を予測するのは常に運が絡む。大会上位の常連はそこらへんの予測が上手いか情報強者であり他プレイヤーと比較して情報の量で優位に立っている、はず。)
補足2今回のRAGEのケース
今までは一般論を話してきたが今回OoTに関して言えば期間の短さから調整作業の流れが成り立たないだろうと思っている。相性を確認することは時間がかかるし世間的な評価を「感じる」時間も少なく、結果的にデッキ選択や構築を考える時間も少なくなる。だが前者なくして後者の選択・構築が決定することはないと思っているので、おそらく今も多くのプレイヤーが何も決まっていない状況で焦っているかもしれないが、個人的に後者を決めるのは提出期限ぎりぎりで問題ない。今はまだ色々なデッキを回して雰囲気を掴むのがいいだろう。
BoSの時には直前の1週間あまり時間が取れなかったので脳内でいくつかのケースを想定して組み合わせを考えていたが最終的に決めたのは木曜日くらいだったはず。そうした想定は時間がなくとも頭の中で処理することも可能なので、思考停止にならずにぜひともがんばってほしい。
疲れました。
ではまた。
OoT新カード評価&環境予想
前の記事書いてて気づいたら時間なくなってたのでダイジェストでやります。
新カード評価
ニュートラル
ところで話は変わるけどハースストーンでハイランダーが強かった時資産がなくて指くわえながら違うデッキ使ってたけどシャドウバースは無課金に優しいしシャドバでハイランダーできるようになったらぜひ組みたいと思っている。大金持ちになりて~
デスウィングの完全上位互換作ったサイゲームスならレノジャクソン越えのカード作ってくれるはず!
エルフ
・ティア
悪くないけどレジェではない。ブロンズだったらおおってなってた。バニラ加えてもスタッツがそこまで高くないのが難点。バニラビートはドロシーくらいの展開力があってこその話。
・ベイル
回廊漁り蟲は相手の生き物が死んでもコスト下がるんですよね。ティアと合わせてアンリミでアグロに入れられないか3秒くらい考えた。
エルフは今環境でアグロが死に、デッキタイプとして存在したのがミッドレンジとコントロール。新カードでもアグロは出来ず茨の不在によりミッドレンジもできなさそう。コントロールも無理なので来期は1つクラスが減ります。
ロイヤル
・ジライヤ
個人的に自来也vsペイン戦一番好きです。
真面目なこと言うとロイヤルミラーでのみ強くて他に対してゴミ。ただ高コストらしい効果で好き。シャドバの昔の高コストカードはバースト出す系のカードが多い印象だったけど最近は控えめになっていて長いゲームを望む運営の願いが伝わってくる。
・簒奪シリーズ
平均値高くて強いとは思う。特にレジェと2/1/1と2除去。1コストのトークンスペルがどれもいいなのも良し。
・豪快な海賊
新カードで追加された3/3/3のうちの1枚。結構強いんじゃないかと思うけどまあデッキ組むうえで抜けるか。
・レイピアマスター
良いカードだと思うけどロイヤル使うならさすがにアーサーは抜けないのでノイズになるこれは使えない。
簒奪系の平均値は高いがDBN期に比べるとパワーは劣るしコスト通りの動きしかできないのが辛そう。いつぞやのコントロールエルフみたいなイメージでいる。なので基本はメタデッキ的な立ち位置だが環境の変化によっては追い風になるかもしれない。そうは言いつつも今期のように完全に影をひそめるかも。
ウィッチ
・開闢
開闢って昔インゼクに入ったりしててかなり好きなカードだったんだけど現代遊戯王だともう使われないのかな?
・真実シリーズ
何の役にも立たない。使徒だけ面白いカードだと思うけど現状特に使い方は思いつかない。
・マナリア系
カードプールなくてデッキにならない。アンの評価は低め。10Tでバースト出てもそこまで試合できなければ意味なし。
全体的に何をしたいのか不明。ギガキマのスタン落ちカードの補填ができるカードもなし。運営側も明確なキルターンが存在するデッキタイプの伸長を嫌っているのかもしれない。
ドラゴン
・ガルミーユ
弱いと思うんだけどなぁ。
・侮蔑シリーズ
ガルミーユの評価に依存する。個人的にミッドレンジドラゴンってアーキタイプは生まれないと思っている。一方今の原初は弱すぎる。
・ドラゴスネーク
強そうで弱そう。ダメージ喰らったときにすぐ出てきてくれ。
前述の通りミッドレンジドラゴンを想定した新カードが多いが、個人的にはリソース問題でデッキにならず潰れるんじゃないかと予想している。
ネクロマンサー
・ルルナイ
カード性能は間違いなく高く、汎用性のあるメタカードとして優秀。
こちらも書いてあることはすごい。パワーカード。
雑に強い。あまりにも雑。
・カローン
弱いより。進化切ってしたいことではないような。
単体性能は高いカードが多い。デッキとして見た時の評価は後述。
ヴァンパイア
・カラミティブリンガー
弱そう。
・ヴァーナレク
そんなに強くはないんじゃないかと思っている。7回自傷って意外とハードル高いんじゃないか?
・姦淫シリーズ
2/4/2は強い。1/1/1は入らなさそうだと思っているけど、実際どうなるかは分からない。こういうのって全体がどれくらいのバランスで収まるかなので。少なくとも自分は入れたくない。
・ハムスター
最大値を考えれば強いけど、それは0コストや1コスト引けている(デッキに入れている)前提なので最低値も考えるとどうなんだろうという気はする。ただ過去ユリウスが結構いやらしいカードだったので2/1/3スタッツでも少なくとも弱くはない。
・フラウロス
デッキの組み方で期待値変わりそうだけどこれもそんなに強くないと踏んでいる。条件が結構きつい。出すだけなら楽だが出すだけで勝てるわけでもなく、デッキの歪さで勝つこともあれば負けることもあるだろうし、段々構築は安定したものへ変化していくだろう。あと入れても1か2。素引きは基本弱い。
全体的に自傷をコンセプトにしており強化しようという運営の意図が見てとれ、反響が大きかったクラスだが、環境トップにはならないと予想している(後述)。
ビショップ
・ラピス
さすがに弱い。
・マーウィン
対ウィッチでのみスペルブーストの観点から実質ターンスキップを実現している利点があるがそもそもそれが利点なのかどうかも怪しいし普通に雑魚。
・黄金都市
良いカードだと思うが盤面を埋めるのがつらいので採用には至らない。もしかしたら盤面を埋めるという不利益よりカウントダウンアミュレットが早く進み盤面を空けやすくなる利益のほうが大きくなるかもしれないが、白牙は進んでほしくないしやはり無しか。
・フェザーダッシュ
社で白竜が突然殴ってきたら強くない?一気にリーサルを狙えるミラーのカウンターカードないし不利対面の一発逆転カードかと思っているが中盤までゴミなのが痛すぎるか。ピン挿しワンチャン。
全体的に弱いし安息シリーズも意味不明。
ネメシス
・リーシェナ
まあまあ強いと思っているが、4,5Tに進化を切ってこその効果なのでこれを軸にするならもう1つデッキの軸が必要になる。そうしないと早めに引き込めなかった時あまりにも紙束。
・機動鎧装
弱い。AFがライフ管理厳しいような環境になるならピン挿しして中盤以降に守護として出ることを期待する感じで。毎回ボトムに埋めておくようにイカサマするのがポイント。相手にバレないようにしろ。
・破壊の信者
人形のドロソとして歌い手よりは優秀だが2コストとしてカウントは出来ないのが難点。イーター同様盤面を弱くする(除去に使える人形を捨てるのは相対的に自分の盤面を弱くするのと同じ)ため強いカードではない。
・オートメーション
強い。マキナ前のカードではなくマキナ後のカード。今まで鉄杖や鉄鋼を出さないとデッキに埋められなかったAFがあまりにも手軽に埋められるようになる。レディアント軸の救世主。サフィラとも共存はするはず。
AF、人形ともに構築の幅が広がった。ネメシスの未来は明るそう。
環境予想
現環境からの視点
現環境は翠嵐E、人形Nm、社B、ギガキマW、アーカスNc、ミッドレンジR、聖獅子Bなどが挙げられる。うち翠嵐は茨不在で壊滅的打撃を受ける。人形はナーフによりキルターンが遅くなるため、相性が今環境のままであればギガキマに明確な不利を持つことになる。社はスノホワと僧侶が落ちる一方、翠嵐と人形が向かい風なため相対的に追い風となるギガキマに対して不利である。ギガキマは追い風だがアサルトと禁忌が落ちることは大きい。デッキの純粋なパワーダウンであり、R等横ならべに対して脆くなる。アーカスNcも不利対面が減り追い風だがイーターの不在によりデッキは不安定となり今までのパフォーマンスを維持できるか疑問である。またギガキマとの相性の変化も気になる。ロイヤルはtier上位の全体的なパワーダウンにより相対的に立ち位置は良くなるがネズミが落ちることでライフをとる速度が低くなりそうでありギガキマとの相性も何とも言えず、相変わらず社には不利が付きそうである。聖獅子もロイヤルと同様立ち位置は良くなるがノイシュがいないことでギガキマへの有利は減少しまたロイヤルにはクロックで劣る。
まとめると、翠嵐が消え、人形と社とギガキマのそれぞれの相性が変化する。パワーの変化具合に応じてアーカス、ロイヤル、聖獅子が入ってくるという構図になると予想している(現時点だとほとんど予想になっていないのはごめんなさい)。
新カード群からの視点
まず自傷Vだが、アグロが仮に成立するならフラウロスがパワーカードだったということになる。するとフラウロスのための3点除去を持つデッキタイプが選別される一方、V自体も差別化を図るため少しずつ除去を積む、遅めのデッキタイプ(幸か不幸かVには3点除去が多い)が生まれ、自傷アグロに対して優位を持つことになる。そうなると社やロイヤルなどミッドレンジ系が追い付くことになり、結果的にVが最強ということにはならないと考えている。
次にNcについて。どれも単体性能は高いが、これらを組み合わせてミッドレンジネクロを組むことはできないのは、ヘクターのような(極端な例だが)カードがいないことが原因である。またカローンケルベロスという流れにはバジリスという完全解答が存在し前者が強いなら後者が環境に存在しないわけはない。ということでミッドレンジの方向はなくなり残るはアーカスとなるが、現環境においてもアーカスにつなげることを最大の課題としているデッキがイーターない新環境で安定性を得られるかは疑問である。回った時に強くても偏差が大きければ淘汰されていくことになる。
Dは前述のようにミッドレンジタイプは机上の空論となるだろうと考えており、その原因にはリソースの問題がある。新規にもドローソースとなるものはあるが、一枚で完結していないため安定性を欠く。またリソースをつなげた先に待っているがガルミーユ、ポセイドン、ドレイクとすると、無論パワーの高いカードもあるが、あまりにも道のりが長いように感じる。
最後にNm。リーシェナを主軸にしたデッキはギガキマに対して無防備である。現状の人形にタッチするような構築を考えると、ノアとほぼキルターンが被ることが分かり利点がないが、AFのサブプランならばマキナに依存しないため悪く無さそうに見える。とはいうものの3投することはなさそうだが…。さてそこの真偽はさておきオートメーションの追加はAFの純粋なパワーアップになる。マキナ後に手札は余るものの盤面は余らないAFにとって場を圧迫しないことがなによりの利点であり、人形のキルターンがAFと同じになる来期は、ネメシスにおいてAFのほうが強くなると思っている。
総合的視点
総合すると、新カードの中で、Vは段々と落ち目になり、ミッドレンジNcは環境次第だがデッキとしてのパワーが足りずアーカスと融合する。Dも大した強さはなく、NmからはAFが返り咲く。同時に現環境群からは社、ギガキマはそのまま(Rとの相性は少し五分よりになるんじゃないかと予想)、人形は少し落ち目となり、アーカスは安定性の観点から微妙、ロイヤルは社とAFの伸び次第、聖獅子はロイヤルの伸び次第となる。AFが戻ってくると原初も戻ってきそうだが、AFが他のデッキに対して明確な不利を持たないのに対し原初はおそらく社、ギガキマあたりには明確に不利が付きそうなのでそれ次第で脱落することになりそう。
正直現環境の相性も微妙な差で変化していったので、来期の話なんてほとんど分からないのが本音だが、一応新弾前はお祭りなので、自分の予想として残しておくことにする。
ということで、責任は取りません(そもそも参考にされないでしょう)
しばらく書きません。ではまた。
下手なやつにドラマは生まれない
※キャッチーなタイトルをつけてみましたが内容はシャドバプロについて個人的に思うことをまとまりなく書いただけです。
1.シャドウバースに「プロ」を作ること
プロ選手とプロリーグ制度をつくった理由については、公式とかで確認したわけではないがたぶんe-sportsを日本に広める、それを先導する意味合いが強いのだろう。RAGEという超大型大会の開催も恒例となり、ファイナリストの数もそこそこの多さになったところで、次のステージとしてRAGEで活躍する実力者をプロ選手として選抜し、よりハイレベルなものを提供しようという話なのだと理解している。
プロをつくるメリットとしては色々あるだろうが、1つ感じたのは、運ゲーをドラマ化できることだ。カードゲームは運の要素が一定割合存在するので、どのような状況での運も「運ゲー」という言葉が使えてしまう。この言葉に悪意がない場合はまずない。なぜならカードゲームは元々運ゲーだからだ。最初からゲーム内に盛り込まれている要素について言及するのは無意味である。(野球でピッチャーの球のコース読みや打球のスーパーキャッチが運ゲーと言われることはない。)そこで運ゲーと言うことはつまりクソゲーと言っていることと同義である。一方で運ゲーをする人それぞれにバックグラウンドがあれば、運はドラマになる。試合を重ねると勝敗とその原因にも様々なパターンができ、その先に自然と感動が生まれる。(プロリーグを見れば、個人の初勝利やチームの大逆転劇などがそれにあたる。)余談だが引き運ゲージみたいなものを作ったのもそういうものを狙ってのことなのかなと思ったりした。物凄く当たり前のことですが念を押しておくと確率は各人に均等に割り振られているので引きの強弱はないです。
2.シャドウバースにおける現状の「プロ」
他業界における既存のプロにも様々な形があるが、e-sports、つまりスポーツを名乗るのなら他のスポーツのプロと比較するのが妥当だろう。ただスポーツもジャンルによってはメディア露出があるのがアマチュアのものもあるため難しいが、基本的にプロになることには、上手いことが必要となる。観客という立場はしばしば神の目線を持つのでどのスポーツにおいても辛口のコメントは多いが、基本的にプロはプロになることができたほどの上手さを有しているわけである。
さてシャドウバースはどうかというと、プロの基準における「上手さ」が「実績」にすり替わっていることが見てとれる。前述のようにRAGEファイナリストをすくい上げることを意図したのであればそれに関しては正しい選択だが、そもそもRAGEの実績では上手さは担保されない。
とはいってもプロ選考において上手さだけを基準にできない企業側の思考も分かる。その1つはメディア露出であり、コメントがしっかりしていることなど、映像に見合った人物でなければならない。それに付随して、普段の言動に問題がないこともある。これは発言に問題がありプロ取り消しになったアホの事件があったことからも分かることであり、企業名を背負わせる以上品行方正な人を企業側が望むのは仕方ない。そして公式実績があることも重視する。やはりプロとして選ぶ以上表向きの理由がなければならない。選考方法が明かされていない以上、どんなに正しい方法で選抜しても、突然全く知名度のない人では企業として面目が立たない。
それらを総合した結果がシーズン1におけるいわゆる「RAGE組」だったわけだ。RAGEファイナリストという実績により上手さを満たし、解説等での露出にも慣れておりTwitterでの発言も柔らかい。またRAGEで実績のある超有名プレイヤーという箔が企業のメンツを保つ、ということになる。東大が多いことに関しても理由は同じで、シャドウバースの実績とは別のウリになり、またバカな発言はしないだろうと考えたからである。(自分の見せ方を良くする方法はうまいだろうし選考でのアピールが良かったのもあるだろうが。)
3.RAGEの問題点
そうして選ばれたRAGE組だったが、シーズン1の結果を見ればRAGE組の信用のなさが分かる。理由としてはRAGEという大会の問題がある。
・RAGEは本来あり得ない勝率を出さなければいけない
・自分の実力を誤解する
・現在の上手さを証明するものではない
1つ目はカードゲームとしての話で、運が一定割合関わる以上必ず負ける試合がある。(どんな有利マッチでもマナカーブを外し続ければ負ける。)RAGEの性質上本来許される負けが許さず運の介入度合いが高くなっているため、相対的に実力の介入度が低くなる。2つ目はRAGEが公式で最大のタイトルであるため、そこで勝ち残ったことにより運が絡んだ部分を含めて自分の実力と認識し、自分が上手いと勘違いすることである。負けが一定割合あるゲームにおいて本当に重要なのは長期間における勝率であり、その勝率が高いものが真に上手いと言えるわけだが、RAGEがそれを無視した制度の大会であることが誤解を発生させる。またRAGEは母数のうち「下手」な人が圧倒的多数であり、その中で勝つことと上手い集団の中で勝つことは違うプロセスを経る。
最後は、過去の実力者も現在実力があるとは限らないということだ。TCGは将棋とは異なり常に駒の種類が変わっていく。飛車の使い方が芸術的と評されても、飛車がスタン落ちすればその人の上手さは消える。実績は過去のものであり、未来の上手さを保証するものではない。
4.下手なやつにドラマは生まれない
以上のことを踏まえて、プロ選手には自分の上手さについて常に考えてほしいと思っている。分かりやすく言えば、初心に帰れ、ということだ。残念だが最初のシーズンのプロのレベルは高いとは言えず、またプレイヤー間でのレベルの格差が激しかった。特に下層の選手は少し真面目に取り組んでいるプレイヤーから見ても分かるお粗末さであり、全然練習してないのは明らかだった。(なんならこの人シャドバ好きじゃないんじゃないか?とさえ思った。)そういった選手が良い評価を受けないのは当然のことだし、勝ったとしてもそれは偶然ということになる。実力の先にドラマがある。下手なまま居続ければ運という言葉に縛られる。
実際勝率が低かった選手の中にもきちんと練習していると分かるプレイをしつつも運の要素で負けてしまっている人もいたが、そういった選手は今後勝ちが増えていくだろう。
次のシーズンに向けて多少のメンバー入れ替えがあったことに対して「上手いプレイもあるし可哀想だ」という批判もあったが、個人的にそれは間違っていると思う。一応プロであり、ある程度の期間シャドバをやっているのだから上手いプレイが時折あるのは当然だ。その場面における上手いプレイというのは経験と同時に思いつくかどうかということも関わってくる。一方で下手なプレイ、つまりあり得ない行動を選択することは練習と直結する話である。分かりやすく言えば2Tでどの2コストを選ぶかと8Tでどの組み合わせを選ぶかは全く別問題であり、現状特に大事なのは前者だと考えている。極端なことを言えば、上手いプレイは初心者でも(プロセスを無視すれば)時にできてしまうものであるが下手なプレイはきっかけがなければ変わるものではない。
(書きながら論理がちょっとガバだなとは思ったけど面倒なのでより詳細な説明はしません)
みんな分かってない。大事なのはうまい人じゃなくて下手なプレイしない人でしょう。平均値高ければ勝率は伸びるから、有り得ない選択肢を一定割合とってしまうような人はプロになってはだめ。
— tsurikawa (@tsurikawa_sv) September 19, 2018
5.今後のプロ選手に対して望むもの
これは少し話が飛ぶかもしれないけど、プロ選手には情報のアウトプットをもっとしてほしい。具体的に言えば配信とブログ。自分の思考を明確化し提示することはその個人の評価を高めることになる。仮にもししっかりと考えた上でのプレイなのであれば試合に負けても問題はなく、その思考をアウトプットすることは試合結果の救済になる。もちろんこれは諸刃の刃であり、思考過程すら間違っているとなるとますますその人の立場は悪くなる。だがそうすることが上手くなることの一番の近道であるようにも思える。アウトプットに対する反応を吸収すれば多面的な思考が得られるので。
新参の2チームのメンバーはそこそこ期待できそうなので、今後プロリーグが面白くなっていくことを楽しみに待っています。
(なんかもっと書きたいことあったような気もするけど疲れたのでとりあえずあげておきます。追記したら再渇します。)
めちゃくちゃ拡散されてすごいことになってるけど悪気はなかったんです、叩かないでください(+_+) (9/26追記)
アンリミテッドのネクロマンサー
アンリミで出回ってる現状のネクロマンサーの構築に違和感を持っているので勢いで書きました。かといって後述する構築で試行を重ねたというわけではなく、基本は現行リスト(出回っているリスト)の問題点を補うように変更したものになります。
それと、今回はBO1における構築なので明らかなメタが張れる状況、もしくはBO3等の別フォーマット下の環境は無視します。
まずランクマッチでは、グレモリー追加によって対超越有利化、一方メタとして蝙蝠が増えるものの結局明確な有利はつかず数は落ち着き、代わりにネクロが増加したという流れとなる。
そこで構築を考える際には減少したデッキタイプへのガードは下げ、増加したものにフォーカスするのが当然となる訳だが、現在流行しているネクロの構築の大元は超越など他のデッキタイプのシェアが多かった時のものとなっているため構築を今の環境に合わせて変更する必要性があるとここ最近ずっと感じていた。
ということで。
採用カード
グレモリー
不死者
イーター
スカルリング
貴公子
ヘクター
文句無しの3枚
スカルビースト2
ライフを削っていきたい対面なら1ターン目から出したいがミラーにおいて序盤の1コストの影響力は低いと思っており、5Tビースト+貴公子、7Tビースト+グレモリーのつながりを考えれば3枚欲しいとは思えない。またグレモリーが3Tまでは1/1/1バニラ、進化ターンの4,5Tはそこにワンドローが付くだけであるため、1コスト6枚は序盤の脆さが気になった。
尖兵3
ミラー意識。入るのがポピュラーになっているため詳細は割愛。超越などのためにボーンキマイラを入れたいがこのカードの採用が当たり前になっているため入れられないという事情もある。
アンドレアルフス2
前述の通りグレモリーをドローソースとして考えられるのは6T以降であり、そこまではイーターかソルコンによってデッキを回すことになるが、それらは盤面を弱くする。最悪の場合を考えると、ドローのために盤面が強くならないまま6Tを迎え、グレモリーで進化させるフォロワーがいない、もしくはそのフォロワーを盤面処理に使うためドロー効果が乗せられずリソースが先細りになる状況が有り得る。そうした状況を回避しやすくするための、序盤の繋ぎを意識したカードがアルフスとなる。スカルリングやレディグレイのバリューが低くなる可能性はあるが、イーターが出るよりもマシであることと、デッキを回してヘクターにたどり着くことがなによりも重要であると考えた。3は過剰だと思い2枚。
フラン2
そんなに強いカードではないと思っており後半のエンハンスが邪魔になる時もチラホラあるが一方でチョイスが便利なので抜くに抜けない。イーターやグレモリー、貴公子などで0/2にも無駄がないため悪くはない。アルフス1フラン3でもいいかもしれない。
アイシャ1
デスライラントの枠。そもそもなぜタイラントなのか分かってない。墓地が20貯まる展開ってそんなにないし貯まると大概10T迎えてるような。それで13点なら10Tに10点出せるアイシャのほうが良さそうに感じる。盤面に何か生き物がいればグレモリーかヘクターでバフできるので、6コスト3点の飛び道具か5/5/4突進かを比較し汎用性を考えて後者を選んだ。
祝福2骸1
だいたいテンプレ。骸は絶対ノイズだと思ったが後半も腐りにくくグレモリーと一緒に使える展開もあって良いと思った。
とここまで書いてたらうまい人何人かがネクロのリスト公開してるの流れてきてうわっと思ったけど仕方なし。
自分はタイラントかアイシャかで考えてたけどレッサーマミーはなるほどという感じだった。そうなるとデッキの方向性も変わってきて、個人的にはミラーは繋がりを意識してパワーカードへのアクセスを良くする方向で考えていたけど前に寄せるのもアリだなと思った。
最後にこれも前々から思っていたことなんだが、「結論構築」ってよく分からないでいる。そもそも環境は固定化しないのがほとんどなので、環境に合わせて構築も変わるというのが自然であり、構築の結論が出ることはない。正確に言えばその瞬間の結論は導き出せるが、1日後にはその結論は意味のないものになっている。なのでたまに、「今期の結論です」とか「1週間調整した結論構築です」みたいなのを見ても、意味不明。
説明が面倒なのでもう終わります。
次のRAGEは参加できないので代わりに新カードの評価記事あげる気でいます。
ではその時にまた。
RAGE Shadowverse Brigade of the Sky 後編
※前編はRAGE前に大部分を書きましたが後編は終えた後に書いています。
4.構築
- 人形
ナーフの影響がなかったので構築はほぼ引継いて使うことに。まず人形は前期の最初に連勝したリストが大元なのでそこから考える。
不採用カード
ゴブリン
リーサルが最速でも8だと考えるデッキなのでそもそもコンセプトに合ってないと思って最初に触る前に抜いた。基本は要らないカードで、中盤余ったコストで添えられれば悪くないと思い一瞬考えたがあまりにも理想論なので無しにした。
階段
人形ネメシスは階段を2ターン目におけるデッキではないがそこを逃すと4ターン目に2,2くらいしかなく後半では盤面を埋める上に即効性がないので不採用。かなり弱いカードだと思っている。
熊人形の少女
悪くないカードだとは思っていて最初入れていたがエンハンスで出すタイミングがそんなに多くなく先4以外は逆に邪魔になる場面が多かった。
鉄杖
試してはいないが絶対に弱いと思って不採用。勝ちに絡むカードでもなければ単体で強くもなく、スピネから持ってきても別に強くない。人形は元々守護が多いデッキだと思ってるので増やす必要性もない。
パペットルーム
考えてもいなかったカード。上位進出者で採用もあり自分も試したわけではなかったがあまり強そうには見えない。置けるタイミングが限られているので綺麗に置ければ人形補充として優秀だが後半盤面の邪魔をするカードなので怪しく感じる。
採用カード
心無き決闘3枚
中盤の除去・展開共に優秀なカード。使う前は疑問のあるカードだったが実際には使いやすさ強さに何の問題もなく最大数確定。
バジリス2枚
前編で書いたようにロイヤルとエルフの数が多くないと踏んだ上での枚数。シェアが逆転すると3枚入れざるを得ないが他対面で強くなくミラーでも必須カードではないと思っているので今回は減らした。
イカロス1枚
2コストのカードを何か増やしたかったが熊人形の少女が弱く感じたので代わりとして採用。かなり怪しいカードだとは思っており採用理由についても言語化はできないが、進化権を切らずとも相手が進化されるのを嫌うためトレードに参加でき使用感は悪くなく、4枚目のパラケルスス(だいぶ劣るが)という印象。山上からエンシェント引く不利益よりも単体性能の利益を重く見た。
純心の歌い手1枚
3ターン目に出すカードではなく後半にマナカーブを整えつつフィニッシャーを引きに行くためのカードとして採用。後半まで出すことはないので2枚だと被った時苦しいが何らかのドロソが欲しかったためピン挿し。
オーキス3枚
2枚のリストを見てなるほどと思ったが個人的にはフィニッシャーは最大数ほしいと思っていた。被る不利益より引かないことの不利益のほうが大きいように感じる。
- 聖獅子
ナーフの影響はあったがそれでも獅子を育てるというデッキの性質上ドローは減らせないと思いほとんど採用カードは変えずに使っていた。実際構築まで考える時間はなかったが聖獅子はナーフ前環境から常に手札のいくらかはハンデス状態で戦うデッキだったので獅子カードさえ最大数入っていれば大丈夫だろうと判断した。
不採用カード
天界の尖兵
上位進出者の構築で見たカード。良いカードである感じはするが試してもいないので何とも言えない。
ロレーナ
ナーフ前環境から特に強いカードではないと思っていたが、2コストの生き物を多く積むとデッキが弱くなり枚数を抑えたかったので今回はファイター、スノホワ、ノイシュを優先したがゆえに不採用。
レフィーエ
上位陣が入れていたカード。全然使用感が分からないが強いらしい。獅子は高コストのカードを使うデッキじゃないと思っていたので全く考慮に入れていなかった。
採用カード
封じられた法典3枚
0と1はものすごい差があったがどちらにしてもドローがないと先細りになり、ファイターが走り出すためにも必要と考えて3枚入れた。結果的にずっと投げられずに腐る試合がそこそこあったので3枚は怪しかったかもしれないが代わりのカードの候補もなく何とも言えない。
教理1枚
アミュレットを最大数入れたのでデッキの周りを滑らかにするために必要に感じピン挿し。ナーフ前から採用されているカードだったが2枚以上はハンデスがあまりにも苦しく、常に欲しいカードということでもないので最低限の投入。いらない場面もそこそこある。
天罰の神父2枚
基本は社用のカードで他対面でも悪くないカード。元々対社はデッキの性質的に有利だと思っているのでメタカードを最大数積む必要は感じていなかったが、エルフ以外にはそこそこ面倒なファッティがいるのでそれをどかすためにも使うため2枚でも大丈夫だろうという読み。実際そこまで邪魔した印象はない。
ノイシュ2枚
主にギガキマ用、時々社にも使うカード。ギガキマは一定数いるため2枚は欲しかったが3枚だと序盤バニラを抱える、9ターン目までに1枚引けばいいという理由から2枚に落ち着いた。どうしても獅子の成長が遅くなる時があるのでノイシュがないとギガキマに抜かれる可能性があった。
熾天使の剣3枚
ナーフ前の枚数を引き継いだ形で、3枚で特に問題はないと思っていたがもう少し考えるべきだったかもしれない。時間不足だった。
ジャンヌ2枚
弱い状況が無限にあって邪魔なカードではあるもののロイヤル・エルフ・人形の横展開にある程度耐性ができるので入れざるを得ないカード。3枚は過剰なのだがロイヤルを拾うために1枚では心許なく2枚採用。
正直獅子の構築は時間不足もありナーフ前の構築を大部分引き継いだだけとなったが、変に変えるよりもナーフ前の経験値を活かせるようなものにした。
5.自分の結果
Day1
1
獅子vs社 後手 〇
人形vsジャバ 先手 〇
2
人形vsロイヤル 後手 〇
獅子vsロイヤル 先手 〇
3
獅子vs人形 先手 〇
人形vs人形 後手 ×
人形vs社 後手 〇
4
獅子vs社 後手 〇
人形vs社 後手 〇
5
獅子vs召喚士ウィッチ 後手 〇
人形vs召喚士ウィッチ 後手 ×
人形vs人形 先手 〇
5-0
Day2
1
獅子vs社 先手 ×
獅子vs人形 後手 ×
2
獅子vs血統ヴァンプ 先手 ×
獅子vsギガキマ 後手 〇
人形vsギガキマ 先手 ×
3
獅子vs社 後手 〇
人形vs社 先手 〇
4
獅子vs社 後手 〇
人形vsギガキマ 後手 〇
5
人形vs人形 後手 〇
獅子vs人形 後手 〇
6
獅子vsギガキマ 後手 〇
人形vsギガキマ 後手 〇
7
獅子vsギガキマ 後手 ×
人形vs人形 先手 ×
4-3
二日合わせて
総合9-3(先9後18)
獅子10-4(先4後10)
人形9-4(先5後8)
ということで、早々にプレーオフラインから脱落し、その後4連勝するも最後に負けてマネーフィニッシュもできないという何も残らない結果となった。
自分の相手とか隣とかを見ても環境読みは大体合っていたと思っていたが、二日目の1戦目で獅子が社に抜かれたのが全てだった気がする。社と人形が最大シェアであり、ギガキマもちらほら、ロイヤルもそこそこという感じだったが、day1は勝ち上がるごとにビショネメばかりになっており、一方でサブマリンで勝ち上がった知り合いはロイヤルに多く当たっていたことから、ロイヤルが勝ち切れないデッキであったことが確認できる。エルフは当たってないので母数については把握できないが、レート勢や有名人による持ち込みが目立った。その中で勝ち切る人もいたがday1落ちもいて、結局のところデッキ選択としては疑問が残った。
結果的に見ても自分のデッキ選択は正解だと思っていて、それだけに有利対面を落としてしまったのが残念でならない。マッチの負けは自分の事故が数回、相手のぶん回りが1回ほどだったと記憶しており、勝ち切ることの難しさを痛感した。
(先手が後手の半分しかなかったのは二日目終了後に確認したときに初めて知ったことで、後手でも勝てていたので試合中は気にならなかった(実際に今環境は先後がそこまで影響を与えないと思っておりまた影響を受けるようなデッキ選択もしていない)が、先手のほうが多ければ結果が違っていたかもしれないと思うと、運がなかったのが少し悔やまれる。)
6.大会結果の分析
ファイナリストの内訳は省略するが、ビショップの数が少ないのは意外でもあり当然のようでもあった。結局社というデッキタイプがメタに対して脆く、そこまでシェアが伸びなかった一方で、誰もが社を意識した持ち込みをするため社がこらえきれず多くは勝ち残れなかったのだろう。
プレーオフに残ったデッキタイプを考えると、
・ロイヤルについて
前回のジンジャーウィッチと同じような枠。疾走札が増え前期に比べて不利対面を押し切る可能性を秘めているためファイナリストに1人くらいは許容されるデッキパワーという感じ。
・エルフについて
個人的には環境においてかなりの向かい風だと思っていたので勝ち切ったのはかなり驚いた。だが今回のような構築は全然考慮にいれていなかったものであり、使ってもいない状況では何も言うことができない。おそらくロイヤルと社が多くいると予想し翠嵐によるロングゲームもできる形にしたのだろうと推測できる。デッキリストを見るにアグロエルフというデッキタイプを殺し、ある程度リソースカードを積んだテンポデッキを代わりに生み出したのだろうということは分かる。
・ドラゴンについて
配信でジャバ原初が出てきて盛り上がったが正直なんで勝ち上がっているのか謎。参加者がこれだけいれば1人くらいはこういうデッキで勝つのも天文学的確率だがあり得なくはないという印象。
・ネクロについて
今回デッキ選択の時点で最初から外していた3リーダーの中では最も強いのがアーカスであるというのは把握していたが、元々新弾後はそこそこ触っていたものの形にならず断念した。デッキとしての問題点は色々あるので、西RAGEで使用者が増えるのはまあどうぞという感じだが弱いことには変わりないと思っている。
・ウィッチについて
ギガキマは事前に欠陥デッキという評価を下したものの対面するとそこまででもないという印象があり実際二日目でも多かったので少し評価を改める必要があるかもしれない。だが母数が多かったのは予想通りでありミラーで先手を引き続けなければ勝ち切れないということを理解しながら持ち込む勇気はない。
召喚士ウィッチはRAGE直前に少し回したものの全然強さを感じず、わざわざウィッチミラーを自分から不利にする必要はないと思い無しにした。正直ギガキマ以上の欠陥デッキという事前評価だったので勝ち上がったのは謎だが、結果を見るなら最高の余地ありかもしれない。
個人的な考えだがファイナリストになったデッキが正解だったということは絶対にないと思っている。デッキ相性と母数の比から最も勝ち切る確率が高いものを選択するのが正しく、弱いデッキが勝ち上がったとしてもそれは変わらず弱いままである。(もちろん再考の余地は出来る。)しかしナーフから時間がなかったため、個人の練度が勝敗を分けたことは多かっただろう。また圧倒的tier1がいなかったために多少の運の差で巻き返せる環境だったこともあるはずだ。(それはファイナリストのデッキのばらけ方からも分かる。)
7. 反省
RAGEは2回目で、前回は2-2ドロップだったので今回の9-3は躍進という形になったが、今回勝ち切るということを強く意識したデッキ選択をしても事故で有利マッチに抜かれるということがあったので、二日間のうち1回くらいは事故を許容したうえで、改めてデッキ選択と構築の重要性を理解した。一方で今回の環境読みやデッキ選択は良い線をいっていたと感じているので次にもぜひ活かしていきたい。
では、また。
Twitterのフォローしてくれたら嬉しいです。 @tsurikawa_sv
RAGE Shadowverse Brigade of the Sky 前編
1. 今期のRAGEまでのメタゲーム(ナーフ後のRating for シャドウバースにて)
・環境初期
社のナーフにより以前tier2だった人形ネメシスの台頭が予想された。また前期活躍していた聖獅子ビショップはデッキそのもののパワーはあまり変わらないものの(封じられた法典のナーフのみ)明確なメタ対象である社ビショップの現象が予想される中そのメタデッキは激減するとの予想。社のナーフに関しては意見が分かれており、結局デッキの動きは変わらないためまだ現役、あるいはさすがに5コストは重すぎるため絶滅する、という2つの見方があった(結果的には前者が正解だった)。しかし残ったデッキタイプの中で突出して強いものは存在せず、様々なデッキが乱立する混沌環境が予想できた。
さて蓋を開けてみると、社により歪んだ構築を押し付けられていたロイヤルが自由さを取り戻し前期のような槍使いやバルバロッサ入りの構築に戻りシェアを広げる。同様に社の不在により人形ネメシス、またアグロエルフも増加する。一方でビショップの可能性も探られている状態だったが、初期のレートは人形とロイヤルが環境の中心であった。
・環境中期
そんな中社ビショップが新しく組み上がりシェアを広げ始め、エルフ、ロイヤルは分が悪いため環境から姿を消す。レート上位勢が社と人形の組み合わせを使っていたらしく、それがレート全体に広がり、環境を支配することになる。
・後半~終盤
社ビショップ、もしくはそれよりさらにコンシードに寄ったタイプのビショップが広く使われるようになったが、歴代環境トップのデッキのようなパワーがないのは明白であり、そのメタデッキとして聖獅子、ギガキマ、AFなどが台頭する。だがそれらのデッキタイプが蔓延するとまたさらにそのメタデッキであるアグロエルフやミッドレンジロイヤルが使われ始め、何と当たってもおかしくない混沌状態となる。
結果として、環境全体を通して社ビショップが中心に回ることになった。社ビショップに勝てないデッキが環境から消え、代わりに勝てるデッキタイプが使われるようになり、さらにそのメタデッキが増えて環境初期の状態に戻る、という、初期、中期、後期の三状況の堂々めぐりとなり、BO3単位で三竦みであると言える環境になった。
2. 環境読み
今回は諸事情により時間がなかったので多くの部分でレート環境を参考にした。まず前述のレート環境の変遷から、社がロイヤルとエルフに、獅子・ギガキマ・AFが社に有利であり、またそれとは別に召喚士ウィッチがロイヤルと人形に有利ということはそれぞれ自明であるとした。
一方で人形ネメシスが期間中常に存在したことから、メタを張る(勝ち切るデッキを2つ用意する)ことができない、いわゆるジョーカーのような存在だと認定し、おそらくシェア第一位になるだろうと予想した。
またギガキマウィッチ自体は常に事故が付きまとう欠陥デッキというのが自己評価であったが、ウィッチには昔からファンが多く、しかも上限値が現状最も高く成功体験がデッキ評価を著しく狂わせるデッキの筆頭であると思っており、食い込める環境であるなら必ず一定数は存在するデッキタイプだと考えた。
社ビショップはメタられる危険を孕んでいるもののやはりデッキそのもののパワーから人気は高く、同様に多いとした。一方でロイヤルはRAGE前にレート上位勢が情報操作のためにわざとロイヤル上げをしていたことから評価が低いのは明白であったが、やることをやれば何にでも勝てる、環境のジャンケンに支配されていないという理由から、ある程度は使用されると考えた。
エルフはギガキマの存在に押されて前のめりになるが以前のアグロエルフと比較すると劣化は免れずアグロとしては限度があるため環境の中で立ち位置は悪いと考えた。だがアグロというデッキタイプの性質上勝率が一定水準は保てるのでそこの評価を甘くつければある程度の持ち込みは予想された。以上から、人形>社・ギガキマ>ロイヤル>エルフ>他と考えた。
補足として、今回あまりランクマをせずレート環境を主に参考にしたのはレーティングというものの広まりがある。一般に「RAGEはランクマ環境」というように言われているが、ここ最近のレート人口の激増、配信者・プロのレート参戦・配信から、レート人口に加えて、レートをやらずともその配信と環境は把握しているという層が存在すると考えられる。わざわざBO3の大会に参加するのだから参考にできるのであればそうするのが良く、当然のことである。なのでいわゆる地雷デッキに当たる確率は低く、RAGEを特別視する必要が低まっている、と推察した結果レート環境を少しチューンした状況を考えるに至った。
(逆に言えばレートとランクマの環境が近づいてきているということであり、レートにも地雷デッキが存在する(主に低レート)比率とRAGEでの地雷デッキの比率が同じだと考えたということである。参加者全員が一斉にレートを開始した状況がRAGEの一回戦だと思えば分かりやすい。)
3. デッキ選択
さて、ジョーカーが存在するならばそれを握るのは確定であり、問題はセカンドデッキである。そこで重要視したのは
- メタに脆くない
- ミラーで希望がある
- 不利のつく相手が少ない
- 安定性がある
- 人形の相方として整合性がある
といったあたり。環境読みの時点でロイヤルとエルフは勝ち切れるデッキではないと考えて候補から除外し、ウィッチとビショップの2択とした。その上で、社は1番目の項目に、ギガキマは2番目の項目に引っ掛かり印象が良くなかった。一方獅子を考えると1,3,4番目を満たしていることが分かる。また母数が少なくミラーが発生しづらいため2番目は悪くなく、残るは5番目の項目のみとなる。獅子と言えばギガキマと共に社を2タテするためのデッキという印象が強いが、考えてみると人形の相方として悪くないことに気づく。その理由としては
- 人形と同様広く戦えるデッキタイプである
- ビショネメミラーにおいて不利益を被らない
- ウィッチが入る相手に対しても同様
が挙げられる。まず獅子はアグロエルフとロイヤルに微不利であると考えているが環境読みの時点でそれらの母数がそれほど多くないことが予想され、また相性的に負け濃厚な対面ではない。次にミラーにおいてだが、統計的にビショップを最初に投げるのが通例になっており(ミラー五分、対人形有利のためなるべく勝てるデッキから投げたいという心理が働く。前期のロイネメミラーと同じ)、そうであれば最初に獅子対社が発生しほぼ確実に抜けることができるので、人形ミラーを五分としても50%以上の確率でマッチに勝利することが可能になり、獅子を用いることが障害にはならないどころか利益さえ得られる。対ギガキマに対しても同様で、ビショップに逃げられたくないという心理からギガキマから投げる確率が統計的に高くなっているので、結果的にマッチ単位で有利となることが分かる。
また一方で獅子とギガキマを組み合わせることについては、今環境においてメタデッキ構成はある程度の正当性があるものの、この環境で特定のデッキタイプに当たり続けることは不可能だと考え除外した。以上のことから人形と獅子を選択するに至った。
疲れたので分けます。では。
後半では構築と結果と反省を書くつもりです。
書き忘れたことがあればまた後で更新します。
後編はこちら