思考置き場

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こういう考えもあるよってだけです。

RAGE Shadowverse Brigade of the Sky 前編

 

1. 今期のRAGEまでのメタゲーム(ナーフ後のRating for シャドウバースにて)

 

・環境初期

 社のナーフにより以前tier2だった人形ネメシスの台頭が予想された。また前期活躍していた聖獅子ビショップはデッキそのもののパワーはあまり変わらないものの(封じられた法典のナーフのみ)明確なメタ対象である社ビショップの現象が予想される中そのメタデッキは激減するとの予想。社のナーフに関しては意見が分かれており、結局デッキの動きは変わらないためまだ現役、あるいはさすがに5コストは重すぎるため絶滅する、という2つの見方があった(結果的には前者が正解だった)。しかし残ったデッキタイプの中で突出して強いものは存在せず、様々なデッキが乱立する混沌環境が予想できた。

 さて蓋を開けてみると、社により歪んだ構築を押し付けられていたロイヤルが自由さを取り戻し前期のような槍使いやバルバロッサ入りの構築に戻りシェアを広げる。同様に社の不在により人形ネメシス、またアグロエルフも増加する。一方でビショップの可能性も探られている状態だったが、初期のレートは人形とロイヤルが環境の中心であった。

・環境中期

 そんな中社ビショップが新しく組み上がりシェアを広げ始め、エルフ、ロイヤルは分が悪いため環境から姿を消す。レート上位勢が社と人形の組み合わせを使っていたらしく、それがレート全体に広がり、環境を支配することになる。

・後半~終盤

 社ビショップ、もしくはそれよりさらにコンシードに寄ったタイプのビショップが広く使われるようになったが、歴代環境トップのデッキのようなパワーがないのは明白であり、そのメタデッキとして聖獅子、ギガキマ、AFなどが台頭する。だがそれらのデッキタイプが蔓延するとまたさらにそのメタデッキであるアグロエルフやミッドレンジロイヤルが使われ始め、何と当たってもおかしくない混沌状態となる。

 結果として、環境全体を通して社ビショップが中心に回ることになった。社ビショップに勝てないデッキが環境から消え、代わりに勝てるデッキタイプが使われるようになり、さらにそのメタデッキが増えて環境初期の状態に戻る、という、初期、中期、後期の三状況の堂々めぐりとなり、BO3単位で三竦みであると言える環境になった。

 

2. 環境読み

 今回は諸事情により時間がなかったので多くの部分でレート環境を参考にした。まず前述のレート環境の変遷から、社がロイヤルとエルフに、獅子・ギガキマ・AFが社に有利であり、またそれとは別に召喚士ウィッチがロイヤルと人形に有利ということはそれぞれ自明であるとした。

 一方で人形ネメシスが期間中常に存在したことから、メタを張る(勝ち切るデッキを2つ用意する)ことができない、いわゆるジョーカーのような存在だと認定し、おそらくシェア第一位になるだろうと予想した。

 またギガキマウィッチ自体は常に事故が付きまとう欠陥デッキというのが自己評価であったが、ウィッチには昔からファンが多く、しかも上限値が現状最も高く成功体験がデッキ評価を著しく狂わせるデッキの筆頭であると思っており、食い込める環境であるなら必ず一定数は存在するデッキタイプだと考えた。

 社ビショップはメタられる危険を孕んでいるもののやはりデッキそのもののパワーから人気は高く、同様に多いとした。一方でロイヤルはRAGE前にレート上位勢が情報操作のためにわざとロイヤル上げをしていたことから評価が低いのは明白であったが、やることをやれば何にでも勝てる、環境のジャンケンに支配されていないという理由から、ある程度は使用されると考えた。

 エルフはギガキマの存在に押されて前のめりになるが以前のアグロエルフと比較すると劣化は免れずアグロとしては限度があるため環境の中で立ち位置は悪いと考えた。だがアグロというデッキタイプの性質上勝率が一定水準は保てるのでそこの評価を甘くつければある程度の持ち込みは予想された。以上から、人形>社・ギガキマ>ロイヤル>エルフ>他と考えた。

 補足として、今回あまりランクマをせずレート環境を主に参考にしたのはレーティングというものの広まりがある。一般に「RAGEはランクマ環境」というように言われているが、ここ最近のレート人口の激増、配信者・プロのレート参戦・配信から、レート人口に加えて、レートをやらずともその配信と環境は把握しているという層が存在すると考えられる。わざわざBO3の大会に参加するのだから参考にできるのであればそうするのが良く、当然のことである。なのでいわゆる地雷デッキに当たる確率は低く、RAGEを特別視する必要が低まっている、と推察した結果レート環境を少しチューンした状況を考えるに至った。

(逆に言えばレートとランクマの環境が近づいてきているということであり、レートにも地雷デッキが存在する(主に低レート)比率とRAGEでの地雷デッキの比率が同じだと考えたということである。参加者全員が一斉にレートを開始した状況がRAGEの一回戦だと思えば分かりやすい。)

 

3. デッキ選択

さて、ジョーカーが存在するならばそれを握るのは確定であり、問題はセカンドデッキである。そこで重要視したのは

  • メタに脆くない
  • ミラーで希望がある
  • 不利のつく相手が少ない
  • 安定性がある
  • 人形の相方として整合性がある

といったあたり。環境読みの時点でロイヤルとエルフは勝ち切れるデッキではないと考えて候補から除外し、ウィッチとビショップの2択とした。その上で、社は1番目の項目に、ギガキマは2番目の項目に引っ掛かり印象が良くなかった。一方獅子を考えると1,3,4番目を満たしていることが分かる。また母数が少なくミラーが発生しづらいため2番目は悪くなく、残るは5番目の項目のみとなる。獅子と言えばギガキマと共に社を2タテするためのデッキという印象が強いが、考えてみると人形の相方として悪くないことに気づく。その理由としては

  • 人形と同様広く戦えるデッキタイプである
  • ビショネメミラーにおいて不利益を被らない
  • ウィッチが入る相手に対しても同様

が挙げられる。まず獅子はアグロエルフとロイヤルに微不利であると考えているが環境読みの時点でそれらの母数がそれほど多くないことが予想され、また相性的に負け濃厚な対面ではない。次にミラーにおいてだが、統計的にビショップを最初に投げるのが通例になっており(ミラー五分、対人形有利のためなるべく勝てるデッキから投げたいという心理が働く。前期のロイネメミラーと同じ)、そうであれば最初に獅子対社が発生しほぼ確実に抜けることができるので、人形ミラーを五分としても50%以上の確率でマッチに勝利することが可能になり、獅子を用いることが障害にはならないどころか利益さえ得られる。対ギガキマに対しても同様で、ビショップに逃げられたくないという心理からギガキマから投げる確率が統計的に高くなっているので、結果的にマッチ単位で有利となることが分かる。

 また一方で獅子とギガキマを組み合わせることについては、今環境においてメタデッキ構成はある程度の正当性があるものの、この環境で特定のデッキタイプに当たり続けることは不可能だと考え除外した。以上のことから人形と獅子を選択するに至った。

 

疲れたので分けます。では。

後半では構築と結果と反省を書くつもりです。

書き忘れたことがあればまた後で更新します。

後編はこちら