思考置き場

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こういう考えもあるよってだけです。

下手なやつにドラマは生まれない

※キャッチーなタイトルをつけてみましたが内容はシャドバプロについて個人的に思うことをまとまりなく書いただけです。

 

 1.シャドウバースに「プロ」を作ること

 プロ選手とプロリーグ制度をつくった理由については、公式とかで確認したわけではないがたぶんe-sportsを日本に広める、それを先導する意味合いが強いのだろう。RAGEという超大型大会の開催も恒例となり、ファイナリストの数もそこそこの多さになったところで、次のステージとしてRAGEで活躍する実力者をプロ選手として選抜し、よりハイレベルなものを提供しようという話なのだと理解している。

 プロをつくるメリットとしては色々あるだろうが、1つ感じたのは、運ゲーをドラマ化できることだ。カードゲームは運の要素が一定割合存在するので、どのような状況での運も「運ゲー」という言葉が使えてしまう。この言葉に悪意がない場合はまずない。なぜならカードゲームは元々運ゲーだからだ。最初からゲーム内に盛り込まれている要素について言及するのは無意味である。(野球でピッチャーの球のコース読みや打球のスーパーキャッチが運ゲーと言われることはない。)そこで運ゲーと言うことはつまりクソゲーと言っていることと同義である。一方で運ゲーをする人それぞれにバックグラウンドがあれば、運はドラマになる。試合を重ねると勝敗とその原因にも様々なパターンができ、その先に自然と感動が生まれる。(プロリーグを見れば、個人の初勝利やチームの大逆転劇などがそれにあたる。)余談だが引き運ゲージみたいなものを作ったのもそういうものを狙ってのことなのかなと思ったりした。物凄く当たり前のことですが念を押しておくと確率は各人に均等に割り振られているので引きの強弱はないです。

 

2.シャドウバースにおける現状の「プロ」

 他業界における既存のプロにも様々な形があるが、e-sports、つまりスポーツを名乗るのなら他のスポーツのプロと比較するのが妥当だろう。ただスポーツもジャンルによってはメディア露出があるのがアマチュアのものもあるため難しいが、基本的にプロになることには、上手いことが必要となる。観客という立場はしばしば神の目線を持つのでどのスポーツにおいても辛口のコメントは多いが、基本的にプロはプロになることができたほどの上手さを有しているわけである。

 さてシャドウバースはどうかというと、プロの基準における「上手さ」が「実績」にすり替わっていることが見てとれる。前述のようにRAGEファイナリストをすくい上げることを意図したのであればそれに関しては正しい選択だが、そもそもRAGEの実績では上手さは担保されない。

 とはいってもプロ選考において上手さだけを基準にできない企業側の思考も分かる。その1つはメディア露出であり、コメントがしっかりしていることなど、映像に見合った人物でなければならない。それに付随して、普段の言動に問題がないこともある。これは発言に問題がありプロ取り消しになったアホの事件があったことからも分かることであり、企業名を背負わせる以上品行方正な人を企業側が望むのは仕方ない。そして公式実績があることも重視する。やはりプロとして選ぶ以上表向きの理由がなければならない。選考方法が明かされていない以上、どんなに正しい方法で選抜しても、突然全く知名度のない人では企業として面目が立たない。

 それらを総合した結果がシーズン1におけるいわゆる「RAGE組」だったわけだ。RAGEファイナリストという実績により上手さを満たし、解説等での露出にも慣れておりTwitterでの発言も柔らかい。またRAGEで実績のある超有名プレイヤーという箔が企業のメンツを保つ、ということになる。東大が多いことに関しても理由は同じで、シャドウバースの実績とは別のウリになり、またバカな発言はしないだろうと考えたからである。(自分の見せ方を良くする方法はうまいだろうし選考でのアピールが良かったのもあるだろうが。)

 

3.RAGEの問題点

 そうして選ばれたRAGE組だったが、シーズン1の結果を見ればRAGE組の信用のなさが分かる。理由としてはRAGEという大会の問題がある。

・RAGEは本来あり得ない勝率を出さなければいけない

・自分の実力を誤解する

・現在の上手さを証明するものではない

 1つ目はカードゲームとしての話で、運が一定割合関わる以上必ず負ける試合がある。(どんな有利マッチでもマナカーブを外し続ければ負ける。)RAGEの性質上本来許される負けが許さず運の介入度合いが高くなっているため、相対的に実力の介入度が低くなる。2つ目はRAGEが公式で最大のタイトルであるため、そこで勝ち残ったことにより運が絡んだ部分を含めて自分の実力と認識し、自分が上手いと勘違いすることである。負けが一定割合あるゲームにおいて本当に重要なのは長期間における勝率であり、その勝率が高いものが真に上手いと言えるわけだが、RAGEがそれを無視した制度の大会であることが誤解を発生させる。またRAGEは母数のうち「下手」な人が圧倒的多数であり、その中で勝つことと上手い集団の中で勝つことは違うプロセスを経る。

 最後は、過去の実力者も現在実力があるとは限らないということだ。TCGは将棋とは異なり常に駒の種類が変わっていく。飛車の使い方が芸術的と評されても、飛車がスタン落ちすればその人の上手さは消える。実績は過去のものであり、未来の上手さを保証するものではない。

 

4.下手なやつにドラマは生まれない

 以上のことを踏まえて、プロ選手には自分の上手さについて常に考えてほしいと思っている。分かりやすく言えば、初心に帰れ、ということだ。残念だが最初のシーズンのプロのレベルは高いとは言えず、またプレイヤー間でのレベルの格差が激しかった。特に下層の選手は少し真面目に取り組んでいるプレイヤーから見ても分かるお粗末さであり、全然練習してないのは明らかだった。(なんならこの人シャドバ好きじゃないんじゃないか?とさえ思った。)そういった選手が良い評価を受けないのは当然のことだし、勝ったとしてもそれは偶然ということになる。実力の先にドラマがある。下手なまま居続ければ運という言葉に縛られる。

 実際勝率が低かった選手の中にもきちんと練習していると分かるプレイをしつつも運の要素で負けてしまっている人もいたが、そういった選手は今後勝ちが増えていくだろう。

 次のシーズンに向けて多少のメンバー入れ替えがあったことに対して「上手いプレイもあるし可哀想だ」という批判もあったが、個人的にそれは間違っていると思う。一応プロであり、ある程度の期間シャドバをやっているのだから上手いプレイが時折あるのは当然だ。その場面における上手いプレイというのは経験と同時に思いつくかどうかということも関わってくる。一方で下手なプレイ、つまりあり得ない行動を選択することは練習と直結する話である。分かりやすく言えば2Tでどの2コストを選ぶかと8Tでどの組み合わせを選ぶかは全く別問題であり、現状特に大事なのは前者だと考えている。極端なことを言えば、上手いプレイは初心者でも(プロセスを無視すれば)時にできてしまうものであるが下手なプレイはきっかけがなければ変わるものではない。

(書きながら論理がちょっとガバだなとは思ったけど面倒なのでより詳細な説明はしません)

 

5.今後のプロ選手に対して望むもの

 これは少し話が飛ぶかもしれないけど、プロ選手には情報のアウトプットをもっとしてほしい。具体的に言えば配信とブログ。自分の思考を明確化し提示することはその個人の評価を高めることになる。仮にもししっかりと考えた上でのプレイなのであれば試合に負けても問題はなく、その思考をアウトプットすることは試合結果の救済になる。もちろんこれは諸刃の刃であり、思考過程すら間違っているとなるとますますその人の立場は悪くなる。だがそうすることが上手くなることの一番の近道であるようにも思える。アウトプットに対する反応を吸収すれば多面的な思考が得られるので。

 新参の2チームのメンバーはそこそこ期待できそうなので、今後プロリーグが面白くなっていくことを楽しみに待っています。

 

(なんかもっと書きたいことあったような気もするけど疲れたのでとりあえずあげておきます。追記したら再渇します。)

めちゃくちゃ拡散されてすごいことになってるけど悪気はなかったんです、叩かないでください(+_+) (9/26追記)